結論から言えば、トリックルーム(以下、トリル)とは「盤面のルールを書き換える最強のバフ」です。
ポケモン対戦において「素早さ」は絶対的な正義。誰もが1でも速く動くために、必死に努力値調整を重ねます。しかし、トリルはその「速い者が強い」という前提条件を根底からひっくり返します。
一瞬で戦況が反転し、重戦車のような鈍足アタッカーが先制し始めるあの瞬間——SRPGで完璧な布陣を敷き、罠に誘い込んだ敵を一網打尽にするときの感覚に、どこか似ています。
今回は、スカーレット・バイオレット(SV)の環境を見据え、盤面を支配し確実な勝利を手繰り寄せる「トリル構築」を、一人のトレーナーとして深掘りします。
1. トリックルームが強い理由|素早さ競争から降りる戦略
トリル構築の真髄は、あえて「速さの競争から降りる」ことで得られる、圧倒的なステータス差にあります。
メリット:耐久力という名の「盤石な布陣」
通常、高速アタッカーは先制するために耐久を削ります。しかし、トリル下で動くポケモンは、素早さに振るはずだったリソースをすべてHPや防御に回せます。
いわば「重厚な盾を持ったまま、誰よりも速く殴りかかる」状態。一撃を耐え、重い返しの一撃で確実に駒を落とす。この「耐えて勝つ」安定感こそ、トリル構築の最大の醍醐味です

トリル下では素早さ勝負が逆になります。なので、相手の「おいかぜ」や雨下での「すいすい」などが無効や状況を悪化させるものになります。それらの対策になるというわけです。
デメリット:4ターンという「期間限定の戦場」
トリルの効果は、発動ターンを除けばわずか4ターン。この短期間にエースを降臨させ、相手の陣形を崩し切る必要があります。
限られたターン内で、どの駒を動かし、どのタイミングで攻勢に出るか——静かな朝の空気の中でパズルをじっくり解くような、思考の深さが求められます。

2. トリルパの理想的な3つの役割と選出基準
理想的なトリル構築は、役割が明確に分かれた3つのピースから成り立っています。
① 物理エース:盤面を制圧する「主役」
圧倒的な破壊力で相手の駒を削り取る、パーティの顔です。トリル下では素早さが低いほど有利なため、最遅調整(個体値0かつ下降補正)が基本になります。自分なりのエースを見つけましょう!逆に威嚇などで下げられることもあります。「かちき」や「まけんき」などの対策、クリアチャームの持ち物で対策する必要もあります。
一般〜準伝説ポケモン
| ポケモン | タイプ | H | A | B | C | D | S | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ブリザポス | こおり | 100 | 145 | 130 | 65 | 110 | 30 | ★★★☆☆ |
ガチグマ(原種)![]() | じめん・ノーマル | 130 | 140 | 105 | 45 | 80 | 50 | ★★★★★ |
ハッサム![]() | はがね・むし | 70 | 130 | 100 | 55 | 80 | 65 | ★★★★☆ |
| ヘイラッシャ | みず | 150 | 100 | 115 | 65 | 65 | 30 | ★★☆☆☆ |
| アラブルタケ | くさ・あく | 111 | 127 | 99 | 79 | 99 | 55 | ★★★☆☆ |
テツノカイナ![]() | かくとう・でんき | 154 | 140 | 108 | 50 | 68 | 50 | ★★★★☆ |
ゴリランダー![]() | くさ | 100 | 125 | 90 | 60 | 70 | 50 | ★★★★☆ |
バンギラス![]() | いわ・あく | 100 | 134 | 110 | 95 | 100 | 61 | ★★★★☆ |
禁止伝説級ポケモン
| ポケモン | タイプ | H | A | B | C | D | S | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| バドレックス はくばじょうのすがた ![]() | こおり・エスパー | 100 | 165 | 150 | 85 | 130 | 50 | ★★★★★ |
② 特殊アタッカー:戦略の「安定剤」
物理一辺倒では、相手の特性「いかく」や物理受けポケモンに詰まるリスクがあります。特殊枠は、戦略の幅を広げる不可欠なピースです。
物理より種族値が少し劣る分、威嚇などCを下げる特性がないメリットもあります。物理一辺倒になると相手に耐えられることが増えてしまうので、特殊アタッカーはパーティーに1匹は入れておきたいですね。エースとなるには少しお膳立ては必要ですが、アタッカーとしては十分な性能なので2番目のエースアタッカーを探してみてください!
一般〜準伝説ポケモン
| ポケモン | タイプ | H | A | B | C | D | S | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ラウドボーン![]() | ほのお・ゴースト | 104 | 75 | 100 | 110 | 75 | 66 | ★★★☆☆ |
コータス![]() | ほのお | 70 | 85 | 140 | 85 | 70 | 20 | ★★★★☆ |
| トリトドン | くさ・みず | 111 | 83 | 68 | 92 | 82 | 39 | ★★☆☆☆ |
| ニンフィア | フェアリー | 95 | 65 | 65 | 110 | 130 | 60 | ★★★☆☆ |
ヤバソチャ![]() | くさ・ゴースト | 71 | 60 | 106 | 121 | 80 | 70 | ★★★★★ |
クワガノン![]() | むし・でんき | 77 | 70 | 90 | 145 | 75 | 43 | ★★★☆☆ |
| ガチグマ(アカツキ) | じめん・ノーマル | 113 | 70 | 120 | 135 | 65 | 52 | ★★★★★ |
禁止伝説級ポケモン
| ポケモン | タイプ | H | A | B | C | D | S | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カイオーガ![]() | みず | 100 | 100 | 90 | 150 | 140 | 90 | ★★★★★ |
③ トリル始動要員:戦略の「核」
すべてはここから始まります。確実に「場を整える」のが彼らの仕事であり、パーティの司令塔と言えます。倒されないこと!ひるまないこと!挑発を無効にすること!などをケアしながらポケモンと持ち物を選びましょう。覚えるポケモンが「エスパー」や「ゴースト」タイプになるので、「あく」技に弱いという共通点があるので、パーティ編成のときの参考にしましょう。覚えるポケモンの一覧はこちら。
| ポケモン | タイプ | H | A | B | C | D | S | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クレセリア | エスパー | 120 | 70 | 110 | 75 | 120 | 85 | ★★★★★ |
| ユクシー | エスパー | 75 | 75 | 130 | 75 | 130 | 95 | ★★★★☆ |
| リキキリン | ノーマル・エスパー | 120 | 90 | 70 | 110 | 70 | 60 | ★★★★★ |
| イエッサン♂ | ノーマル・エスパー | 60 | 65 | 55 | 105 | 95 | 95 | ★★★☆☆ |
| イエッサン♀ | ノーマル・エスパー | 70 | 55 | 65 | 95 | 105 | 85 | ★★★☆☆ |
ミミッキュ![]() | フェアリー・ゴースト | 55 | 90 | 80 | 50 | 105 | 96 | ★★★★★ |
サマヨール![]() | ゴースト | 40 | 70 | 130 | 60 | 130 | 25 | ★★★★★ |
| ドータクン | はがね・エスパー | 67 | 89 | 116 | 79 | 116 | 33 | ★★★★☆ |
ポリゴン2![]() | ノーマル | 85 | 80 | 90 | 105 | 95 | 60 | ★★★★★ |
3. 立ち回りの基本フロー|4ターンを最大限に使い切る
トリル構築の典型的な動きを、タクティカル・フローで整理します。
- ターン0(選出) 相手の妨害手段(挑発、アンコール等)を予測し、始動役を選出。裏には相性補完の良いエースを2枚控えます。
- ターン1(展開) 「トリックルーム」を発動。この際、隣のポケモンで「ねこだまし」を打つか、「まもる」で安全を確保するのが定石です。
- ターン2〜4(攻勢フェーズ) トリル下でエースが暴れます。相手に守る隙を与えないよう、高火力技で圧力をかけ続けましょう。この「選択の強制」こそがトリルの真骨頂です。
- ターン5以降(トリル切れ後) 崩しが不完全な場合に備え、先制技持ち(ハッサム等)や、単体で完結しているポケモンをラストに据えておくと盤石です。
4. トリルが崩れるパターンと対策
強力な戦略には、必ず対策が存在します。軍師として、あらかじめ「次への攻略法」を用意しておきましょう。
トリル切れ後の処理 4ターン以内に崩し切れないと、鈍足エースが狩られるリスクがあります。「トリルの再展開」か「後続の自立」を必ずパーティに組み込んでおきましょう。まとめ
「ちょうはつ」による始動妨害 最大の天敵です。対策として、メンタルハーブの所持、またはリキキリンやブリムオンのような「妨害を許さない特性」を持つ駒を起用しましょう。
トリル返し(再展開) 相手も「トリックルーム」を打つことで、効果を打ち消してくることがあります。相手の動きを読み、攻撃に転じるか、再度貼り直すかの見極めが重要です。
5. トリックルーム構築まとめ|あなたの「盤石な布陣」を組もう
「もし、あなたの自慢の高速アタッカーが、明日から一番最後にしか動けなくなるとしたら——どんな盤面を描きますか?」
トリル構築は、単なる逆張りではありません。**「自分の得意な土俵に相手を引きずり込み、盤面を掌握する」**という、極めて論理的で誠実な戦略です。
素早さ競争に明け暮れるのも一つの道。しかし自分なりの「盤石な布陣」を整え、じっくりと逆転の機会を待つ。そんな積み上げの面白さを、この構築には感じています。
今夜の考察はここまで。最高のタクティクスを練りながら、心地よい眠りにつくとしましょう。
僕の構築紹介します
今夜のタクティクス(一言)
今夜のタクティクス(一言)
勝てないルールで競うより、勝てるルールに書き換える勇気を。
盤面を整えたら、あとは心地よい眠りにつくだけです。

















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